ドールワールドリミテッド2017

今週末日曜日、ドールワールドリミテッドが開催されます。

《一箱人形市》とあるように通常開催とは違い、半分のスペースでの販売となります。

今回新作を作ることは出来ませんでしたが、ずっと委託先に預けていた人形たちを連れて行く予定です。

https://www.instagram.com/p/BcHNNR9F_fg/

こちらは骨董市で買い求めたモダンな着物地を使用しての文化人形です。

2012年の製作です。このころようやく自分の好きなように作ってもいいんだという自由さを得ることが出来ました。個人的にはとても好きな顔なのですが、なかなか出会いには恵まれません。

ずっと箱に入れてしまってあるのでずっときれいです。

久々に箱から出して、自分で作ったものなのに胸がときめいてしまいました。

以前、文化人形を購入したお客様から、部屋に飾っておいたらいつの間にか変色してしまったんですけど、というお話をいただきました。

製作の際には濡れタオルを横に置いて常に手を清潔に保つよう努力しています。

しかしながら布を材料としているがゆえにどうしても日光に当たる場所に飾っていると、色褪せはもちろん、いつの間にかついてしまった人間の脂が経年劣化として出てきてしまうのでしょう。

お気に入りのものほど常に目に入る場所においておきたいのに。

そのお客さまもベッドの上に飾っていたとのことでした。お話を聞いて私はありがたいやら申し訳ないやらという気持ちになりましたが、悩ましいことですよね。

本当に申し訳ないのですが布作品の経年劣化は避けられないのです。

 

私が古い布地や、最初から傷んでいたり汚れていたりする布地を好んで使うようになったのはそのお客様のお話を聞いてからです。

 

以前はアンティークの布地にそれほどの魅力は感じなかったのですが、傷みや汚れ、人の手を渡ってきたことから変化してきたものに対する見方が徐々に変わってきました。

https://www.instagram.com/p/BcHOEBbFe0u/

こちらの白い文化人形はヨーロッパのアンティークの布を一部に使いつつ、現行品の生地を組み合わせて服を作っています。ブリムに使用しているピンク色の生地は着物の裏地に使われていたものです。裂けやすい薄い絹地を、裂いて縫い付けることで味わいを出しています。

リボンも黄色いモスリンとランダムに縫い合わせて作っています。

https://www.instagram.com/p/BcHN5EWF7mD/

こちらの人形のリボンはコットン生地を裂いたものをリボンにしています。

https://www.instagram.com/p/BcHOOIKlNi1/

古い生地を生かすため、元気な現行品の布地とどう組み合わせるかに苦心しています。

最初から古い生地や荒々しく裂いた布を使用することで、経年劣化によるがっかり感を軽減できるような気がしているのです。

むしろ、古びていくものを愛そうという開き直りなのかもしれません。

https://www.instagram.com/p/BcHFlBTlzgE/

さてこちらは以前、企画展で製作したチョコレートをテーマにした小さめの文化人形です。

https://www.instagram.com/p/BcHFhvVl9Ej/

フェルト生地を丸く形作ったマカロンは小さな針山として使用することが出来ます。

携帯用のお針箱にコロンと加えるととてもかわいいです。

クリスマスセールとしてお安く提供させていただきますのでぜひ今週末の日曜日には、浅草都立産業文化センターまで足をお運びくださいませ。